農業用ドローン購入のための資金調達 ~補助金を活用しましょう~
補助金の活用
農業用ドローンなどスマート農業関連機械は作業の省力化や効率化を大きく後押ししています。一方で、数十万~数百万円といった高額な初期投資が必要になるため、導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
そこで注目したいのが、国や自治体の補助金。うまく活用すれば、農業用ドローンの導入費用を半額程度カバーできるケースもあります。
それらの補助金や制度資金の申請対象や条件などはさまざまです。また、公募から締め切りまで短期間に設定されているものもあり、知見のある行政書士などのサポートとともに準備を進めるのがおすすめです。
1.まず押さえておきたい「みどり認定」
「みどり認定」とは、令和4年7月に施行された「みどりの食料システム法*」に基づく農業者認定制度です。県が策定した基本計画に則して環境に配慮した事業活動の実施計画(5ヵ年)を作成し、知事から認定を受けることで、融資や税制などの特例措置が受けられます。全国一斉ではなく、基本計画が整備された県から順次スタートしている状況です。
令和7年以降、多くのスマート農業関連補助金が、このみどり認定を要件または優先枠として設定することが見込まれています。
参考:全国のみどり法認定者数 28,218件(令和7年5月末時点)
*正式には「環境と調和のとれた食料システムの確立のための環境負荷低減事業活動の促進等に関する法律」。
「みどり認定」を受けることによる主なメリット
- 設備投資の際の税制優遇が受けられる
- さまざまな国庫補助金の採択で優遇される
- 日本政策金融公庫の無利子融資等が活用できる
「みどり認定」を受けた農業者は、「みどり認定」を要件とした補助金申請や、そのほかの補助金採択において有利なポイントが加算されます。例えば、「みどりの食料システム戦略推進交付金」では、採択ポイントのうち特定区域の設定や農業者の計画認定等で最大20点がプラスされます。また、競争率の高い「強い農業づくり総合支援交付金」などの事業においてもポイントが加算されるという大きなメリットもあります。
将来的なメリット
環境保全型農業直接支払交付金等は、令和7年度に見直しを行った上で、令和9年度を目標に、「みどり認定」を受けた農業者だけに支援される仕組みに移行することが検討されています。この交付金の有無は農業経営にも大きく影響しうるものですから、「みどり認定」を受けることは将来的に大きなメリットになると考えられます。
「みどり認定」を受けるには
「みどり認定」を受けるには、県の基本計画に基づいて5ヵ年の環境負荷低減事業活動*実施計画を作成し、管轄の都道府県に申請する必要があります。申請書や計画作成の知見が豊富な行政書士などにサポートしてもらえると心強いですね。
*「みどり認定」における環境負荷低減事業活動とは、スマート農業技術を活用した以下のような取り組みを指します。
- 土づくり、化学肥料・化学農薬の削減
例:堆肥施用による土づくりや、可変施肥など
例:新たな防除ソリューションの活用による使用農薬量の最適化など(バイエル シードグロース®や水田雑草 テーラーメイド防除®も該当する場合があります) - 温室効果ガスの排出削減
例:中干し延長によるメタン排出の軽減など - その他(例:生分解性マルチの使用など)
2.スマート農業機械等の導入におすすめの補助金(抜粋)
実際に、農業用ドローンの購入やリース導入に活用しやすい補助金をピックアップしてみましょう。【令和7年版】
※最新情報は各自治体や農林水産省HPもご確認ください。
ポイント
- 「農業用ドローン」に直接使えるものは、主に機械導入費補助を含むタイプ
- 「みどり認定」の有無で補助率アップや採択率アップが見込める場合が多い
| 番号 | 種別 | 事業名 | 支援内容 | みどり法認定 必須度 | 対象者 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 30 | 農業者 | 農地利用効率化支援交付金 <地域農業構造転換支援タイプ> | 地域の中核となる担い手に農業用機械・施設の導入 を支援 【補助率:購入 3/10(上限1,500万円) | 「みどり法認定」を受けて、化学肥料・農薬の使用削減やGHG削減に取り組む方を対象とする優先あり(みどり法認定優先枠) | 地域計画の目標地図に位置付けら れた認定農業者等 | 【必須目標】 事業実施地区内での経営面積の3割または 4ha以上の拡大 【優先枠】 ・スマート農業優先枠 ・みどり法認定優先枠 |
| 30 | 農地利用効率化支援交付金 <条件不利地域支援タイプ> | 農業用機械等の整備を支援 ①【農業用機械 購入1/3】 ②簡易な整備を支援 【補助率:整備内容ごとに1/2(上限は①と併せて 4,000万円) | 農業者等の組織する団体・参入法人 (農家3戸以上の利用権設定又は農 作業受託) | 【事業実施地区:条件不利地域】 農家1戸当たり平均農地面積0.5ha未満等 | ||
| 31 | 産地生産基盤パワーアップ事業 <収益性向上対策> | 【整備事業:乾燥調製施設等の整備】 ・補助率 1/2以内 【基金事業:高性能農業機械の導入】 ・補助率 1/2以内 | 計画内容によって必要になる場合が多い | 産地パワーアップ計画に参加する農 業者等の取組主体が事業計画書を 作成し地域農業再生協議会の承認が必要 | 成果目標を設定し目標の実現に向けて取組 (実施期間は原則3年) 【優先枠】 ・スマート農業推進枠(基金事業) | |
| 86 | 農業支援サービス事業体 | スマート農業・農業支援サービス事業導入総合サポート 緊急対策事業 <6メニュー> ①スマート農業技術と産地の橋渡し支援 ②先進モデル支援のうち需要主導産地育成タイプ ③先進モデル支援のうち複数産地連携タイプ ④先進モデル支援のうち機械多用途利用タイプ ⑤立上げ支援(育成対策)のうち広域型サービス支援タイプ ⑥立上げ支援(農業機械導入支援)のうち広域型サービス支援タイプ | (抜粋) ③先進モデル支援のうち複数産地連携タイプ (1)推進事業(ソフト+セミハード) スマート農業機械 補助率1/2(上限5,000万円) 複数産地連携等(ソフト)(定額 4,,500万円) (2)整備事業(ハード) 補助率1/2(上限 3億円) 育苗施設・乾燥調製施設・種子種苗施設等 | ポイント加算のため認定は必須 | 農業者・農業支援サービス事業体 | 公募(第1回~第3回(R7.4/22~6/30:済) 【主な審査基準(加算要素)】 ・サービス提供面積の拡大量 ・スマート農業機械の導入 ・スマート農業技術活用促進法に基づく生 産方式革新実施計画の認定 ・サービス提供先農業者がみどり法認定 ・サービス提供先の農業者の過半が中山間 地域での営農 ・みどり投資促進税制の対象機械の導入等 |

「みどり認定」の取得 から 補助金申請までの流れ
ここでは、農業用ドローンの導入を念頭に置いた場合の流れ(イメージ)を示します。

3.まとめ ~まずは「みどり認定」で補助金攻略を~
ここでは、農業用ドローンをはじめとしたスマート農業関連機械の購入・導入に活用できる補助金制度についてご紹介しました。国や自治体の補助金を活用すればコスト負担を大きく軽減できます。
令和7年度以降、多くのスマート農業関連補助金で「みどり認定」が必須または優遇要件となる見込みです。
前述のように、令和9年度を目安に「みどり認定」を受けた農業者だけに環境保全型農業直接支払交付金等が支援される仕組みに移行することが検討されています。
少しでも早く動き出しておけば、公募が始まったタイミングでスムーズに申請し、補助金を活用しやすくなります。ぜひ、今のうちに「みどり認定」の取得や補助金情報のチェックを進めてみてください。
もし書類作成や手続きに不安があれば、お気軽にご相談を。
監修:
行政書士やまと総合法務事務所 所長 村上 敏夫
農業経営コンサルタント<元・農林水産省、現・農業経営者>
活動地域:全国
専門分野:農業経営・水田作・補助金申請支援
資格:特定行政書士・宅地建物取引士・測量士補 等

