ドローンで撒けない農薬は、スマートに地上から。愛媛の柿園を農業用無人車R200が走った(現地レポートvol.5)
現地レポート

愛媛県の果樹産地でも、スマート農業による作業省力化が求められています。しかし、果樹現場においては、無人航空機による散布の登録がある農薬がまだ少ないのが現状です。そこで今注目を浴びているのが、240Lタンクを搭載したXAGの農業用無人車R200。ドローン散布で使えない農薬でも、散布作業をスマートに省力化することが可能。そのデモンストレーションが行われたスマート農業イベント(愛媛県内子町)の模様を、現地よりレポートします。
取材MEMO
- 日時
- 2026年7月29日AM
- 場所
- 愛媛県内子町 JA愛媛たいき管内柿園
- 主催
- 愛媛県大洲農業指導班、JA愛媛たいき柿生産組合、大信産業株式会社
- 作物
- 柿
- 機体
- XAG R200(タンク240L)
- 散布内容
- 散布デモは水で代用
- 散布時間
- 約15分で240Lを散布
30名以上が参加し、農業用無人車・ドローンのデモを実施
県内有数の柿産地であるJA愛媛たいき管内では、約75haの園地で柿の栽培が行われています。2026年7月29日には、愛媛県内子町の同JA柿部会 部会長の園地にて、農業用無人車やドローンのデモンストレーションで構成されたスマート農業イベントが開催。愛媛県大洲農業指導班、JA愛媛たいき柿生産組合、大信産業株式会社など30名以上が参加し、盛況なイベントとなりました。 イベント前半では、高温対策を目的としたバイオスティミュラント資材や農業用ドローンの解説・実演が行われました。後半では、弊社マーケティング本部 大型農家支援グループの中四国・九州エリアマネジャー涌嶋が、XAGの農業用無人車R200のデモンストレーションを実施。同JA柿部会長の園地走行で、農薬散布(当日は水で代用)の模様をご覧いただきました。
凹凸のある園地でもスムーズに走行
「R200は、サスペンション付きの6輪駆動で、凹凸のある不整地においてもスムーズな走行が行えます。柿の園地では500L以上の農薬散布を行うことが多いと思いますが、R200はタンク容量が240Lなので、小型のR100よりも効率よく散布できると思います。ラジコン感覚でのリモコン操作もできますが、今日はクルーズモードによる自動走行をご覧いただきます」
弊社涌嶋
前方の人間など障害物を検知し、自動停止
「また、安全性についてですが、車体前方にセンサーカメラが付いていて、自動走行時には人間を自動で検知します。検知すると4m手前で警告を発し、2m手前で自動的に減速して停止するので、安心して作業いただけます」
弊社涌嶋
クルーズモードによる自動走行ドローンと兼用のバッテリーを使用
R200は、4つの散布用ノズルを装備し、細かく均一なミスト散布が可能。風圧・水量・液滴サイズを調整でき、片側の最大散布幅は7mです。「R200のバッテリーは、XAG製ドローンP60と兼用のスマートバッテリーなので、P60もお持ちであれば、ドローン散布に登録のある薬剤と登録のない薬剤の散布を使い分けることができ、利便性・経済性は高まります」
弊社涌嶋
約15分で240Lの散布が完了
「国内で数多くのデモを実施して得られた経験値から、風圧・水量をある程度抑えれば、バッテリー1本で30〜60分程度は駆動が可能です。ちなみに、風圧・水量を最大にすれば1分で16L、15分で240Lの散布が完了します」
弊社涌嶋
ハウスの中でも自動走行可能
デモンストレーション後には、質疑応答があり、参加者の方からは「枝がかなり混んでいる園地があるが、大丈夫か?」といった質問などがありました。弊社涌嶋より「ハウスの中でもRTKの位置情報がキャッチできるので、枝が混み入った園地でも問題ありません。RTKのネットワークは、弊社独自の基地局を無料でご利用いただけます」と回答させていただき、皆さまも納得されていたご様子でした。収穫物搬送も可能で、農作業が快適に
「このR200は、農薬散布以外に収穫物等の搬送も可能です。200kgぐらいまでであればけん引できるので、収穫時の搬送作業が快適になります。皆さまも活用をご検討されてみてはいかがでしょうか」
弊社涌嶋
農業用無人車FAQ
Q. R200はハウス内や、枝の混んだ露地の園地でも使えますか?
A. ハウス内でも、枝が混んだ露地園地でも問題なく使用できます。RTK(高精度位置情報)の利用により、数センチ単位の位置を把握しながら走行します。
Q. RTKの利用は有料ですか?
A. 弊社独自のRTK基地局を設置しております。XAG製の農業用無人車やドローンのご使用に関しては、そのRTKネットワークを無料でご利用いただけます。
Q. SS(スピードスプレイヤー)や動力噴霧機との違いは?
A. R200には、SSのような薬液の自動撹拌機能、ノズルの向き・角度の自動調整機能がありません。この2点については、手動でのご対応となります。
また、R200のスプレーヤーは、農薬散布ノズルではなくアトマイザーを使用しています。ドローンでも実証されていますが、アトマイザー散布により作物への付着率が高まります。
